「なによぉ…。いつも冴えない顔なのにやけにニコニコ笑って…気持ち悪いわぁ」
「まぁまぁまぁ。そんな事言わないで、ほら、ケーキ買ってきたよー」
「あらぁ、それならそうと早く言いなさいよ。4つも買ってきたのねぇ。じゃあ私が3つで貴方は一つね」
「そうそう、今日はどうやら俺の誕生日みたいなんだ!」
「そうなの。だからどうしたの?」
「だ、だから…今日は二つづつ、半々ってのはどうかな?」
「本当に?適当にそんなこと言ってるんじゃないのぉ?」
「いや、本当だよ銀様。神に誓って…信じてないけど」
「信じてない神様なんかに誓われたって、信じようもないわよぉ」
「…じゃあ、銀様も誕生日とか、ないの?」
「ないわね。そんなものあったって、なんにもならないわぁ」
「じゃあいつか分からないけど銀様の誕生日も祝うってことで、やっぱり俺はケーキは一個でいいよ」
「……別にいいわよ。2:2で」
「ホントに?」
「いいから早くお皿と、そうね…紅茶でもさっさと用意なさい。とりあえず食べたいわぁ」
少々食い意地の張る銀様だけども、一つ俺に分けてくれたあたり多少は祝ってくれてるのかな?
なんて思ってたら、「早く用意なさいって言ってるのよ!」と足を蹴られたけれども、
いつもよりも大分優しめの蹴りに感じられた。
いいね。誕生日は。多少なりとも特別に扱われるしね!
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